Old Lamp の話 マイナーズランプ - カンブリアンランタン
マイナーズランプ (Miners Lamp)
炭鉱夫、マイナーのランプ
Colemanと比べてみた
昔々、英国の炭鉱で使われていた。
ウエールズ地方の呼び名にちなんで、カンブリアンランタンとも呼ばれている。
このランタンについて調べてみた。
17世紀のイギリス産業革命、蒸気機関などの燃料になる石炭の炭鉱が隆盛な頃...
炭鉱では可燃ガス等による爆発事故が問題となっていた。
1813年、 Dr. William Reid Clanny,が安全ランプを考案。
1815年、英国の科学者Sir Humphrey Davyが最初の安全ランプを作ったらしい。
デービーは、ナトリウムやカリウムなどの元素を発見したことで知られている。
同時期に何種類かのランプが発明され、実験を通して実用化されていった。
広く広めて炭鉱での爆発事故を多く防ぐために、ランプの特許は取得しなかったらしい。
その為、ランプはドイツやソ連、アメリカなどに広がっていって、日本にはドイツからランプが伝わったのか、ドイツのウルフ氏が考案した為ウルフ灯と呼ばれる。
炭鉱のマイナーズランプは、安全灯、セーフティーランプ、デービー灯、ウルフ灯とも呼ばれます。
マイナーズランプは、炭鉱で突然噴出する可燃性のガス(メタンガスなど)に引火して爆発が起きない様、炎の上部を金属のメッシュの筒(ガーゼ:gauze cylinders)で覆っている。
金属の網は熱を奪う為、外の可燃性ガスに引火しないのだそうだ。すごい発見。
ウルフ灯のガーゼ from USSR
また、ガスの発生により炎の大きさや色が変化し、ガスの発生を検知した。
マイナーズランプの晩年はこの検知器の役割が主だった。
1900年代には明かりとしては電球が実用になっているため、マイナーズランプの仄かな明かりでは足りなかったのだろう。
この仄かな、微かな明かりが、多くの炭鉱で働く人々の命を救い、また、地下深くで暗闇を照らしていたことを考えると非常に感慨深い。
ジブリ作品「天空の城ラピュタ」でパズーとシータが潜った炭鉱の地下では、全く明かりがなく、目をこらすと石の囁く声が聞こえる。
この様な暗黒の中でこのマイナーズランプが点いていたら、さぞかし明るいのかもしれない。
現在も新品で入手できるランプがあるらしい。
E.Thomas & Williams 社:
昔の安全灯の構造を踏襲している様です。
平芯でパラフィン系の燃料を使用するタイプなので燃料は灯油などですが、レインボーオイルがおすすめ。
これ
The Protector Lamp & Lighting Company :
GR6Sというタイプが英国のミュージアムで売っているみたい。
丸芯で航空燃料、白ガス、ラーターオイル等を燃料とするタイプ。
(写真なし、ググってね)
REPLICA MINERS LAMP LANTERN:
廉価版のマイナーズランプ。安全機構が無いため炭鉱では使えないそうです。(^^;)
それはそうかもしれないけど、炭鉱に行かない人はこちらでも十分。いい雰囲気がある。
素材はずっしりしたブラスなどで作られ、重厚感がある。
マイナーズランプの素材は様々だけど、Brassのみか、Steel & Brassが多い。
やはり、Brass、真鍮のギアはピカピカの新品よりも経年でくすんだ感じがいい。
もちろんピカピカのBrass を時間をかけて育てるのもいい。
次からは古いマイナーズランプを紹介していこうと思う。
マイナーズランプ
カンブリアンランタン
安全灯
ウルフ灯
デービーランプ
防爆ランプ