Old Lamp の話5 マイナーズランプ-E .THOMAS & WILLIAMS シリアルNoと年代
マイナーズランプ -Miners Lamp
炭鉱夫、マイナーのランプ
E .THOMAS & WILLIAMS 社
むかしむかしからマーナーズランプを作っていたメーカーの1社
今も、昔ながらのランプを製造しているらしい
最新の記事は、こちらへ a88.hatenablog.jp
平成の最後に、E .THOMAS & WILLIAMSのランプの年代とシリアル番号を調べてみた
手持ちの個体とネット上にある情報を並べてみた
E .THOMAS & WILLIAMSのランプのプレート
現行モノの新しいデザインがこれ
6桁の31万番台はかなり新しい世代
現行品といったところ
丸に近いちょっと横長の円形
まだ売ってるようです
この前の世代がこれ
横長の楕円
旧デザインはシリアルは記載されていないタイプが多い
さらにものすごく古いデザインのモノが何種類かあるようだ
主にシリアルの記載がある一番新しいデザインの世代から年代を並べてみる
新デザイン世代
Serial No. 年代
6桁時代
(No.254xxx) 記載なし
(No.182xxx) 1987年
(No.179xxx) 1986年
(No.154xxx) 1985年
(No.139xxx) 1984年
(No.120xxx) 1983年
(No.112xxx) 1983年
5桁時代
(No.92xxx) 1982年
(No.81xxx) 1981年
(No.80xxx) 1981年
(No.75xxx) 記載なし
(No.51xxx) (No.48xxx) (No.44xxx) (No.44xxx) (No.27xxx) (No.25xxx) (No.15xxx) (No.11xxx) まとめて年代記載なし
4桁時代
(No.54xx) 1971年
(No.37xx) 記載なし
(No.29xx) 記載なし
旧デザイン時代
No.記載なし 1969年
No.記載なし 年代記載なし 多数
現役当時のE .THOMAS & WILLIAMS のランプには、シリアルというか当時の識別番号が刻印されている
それは炭鉱を表すマークだったり、稼働のスケジュールを示すモノの様だ
それはたぶん、1910年代〜1950年代くらいのモノだろう
1910年代のランプはすでに表記プレート自体が欠損しているモノも多い
1世紀も経つのだから仕方のないところ
1930年代〜50年代はわりと綺麗に残っている
これは、1930年代と思われる
近年に販売されているランプは、年代刻印やシリアル刻印があったりなかったりする
1950〜1960年代くらいの間は旧デザインのプレートで年代刻印やシリアル刻印があったりなかったりする様だ
1970年前後にプレートのデザインが新しくなり現行のデザインになりシリアル番号が打たれ始めたようだ
ただ、1970年代は年代刻印があるものが少ないみたいで、シリアル刻印はあるが年代刻印がないモノが多い
1980年代からは年式刻印があるものが多くなるが、記載がないものもある様だ
まとめると
新デザイン
6桁時代 1983年以降 〜 現在まで
5桁時代 1970年代前半 〜 1980年代前半
4桁時代 主に1970年代頃か
旧デザイン
シリアルなしが多く 1960年代 またはその前後
もっと古いデザイン
1910〜1940年くらい
もしかすると1950年代もあるかも
情報が新たに見つかれば随時更新していきます
こんなオイルがおすすめ
マイナーズランプ
カンブリアンランタン
イートーマス
安全灯
ウルフ灯
デービーランプ
防爆ランプ
Old Lamp の話4 マイナーズランプ-PATTERSON & Co
マイナーズランプ -Miners Lamp
炭鉱夫、マイナーのランプ
古いランプを紹介しよう
PATTERSON & Co マーナーズランプ
ニューカッスル -Newcastle on Tyne
産業革命時代は鉄鋼や造船で栄えた町らしい
もうすでに会社は無いのか、情報があまり無い
古いタイプのようなので、1900年代の早い時期、若しくは1910年か1920年代くらいではないかと思う
1世紀は経とうかという炭鉱夫のランプ
TOPはSteel製
フレームやボトムはBrass-真鍮製
Steelの部分は錆びているが、使い込まれた風合い
磨かれた鉄の重厚感がいい
高さはフックを除いて約24cm
底面の円部分の直径は9cm弱
重さは約1.5kgもあってずっしり重い
この安定感、安心感がいい、そしてこれでもかというほど無骨
ガラスのグローブは傷が多く曇っているが、まだまだ使える
フロストグローブのようだけど、炎が見えないけど、まあいいでしょう
内部にはガーゼ-鉄の網がある
この網が炭鉱での安全を守ってきた
wickは平たい芯
1/2インチ芯で丁度いい
構造はウエールズのE.THOMAS & WILLAMS製とよく似ている
Marsautタイプか?
燃料にはムラエのレインボーオイルを入れている
レインボーオイルはススが少なくいい
燃焼も安定する
真鍮のガードから芯が出るか出ないか位の状態で丁度いい
炎は写真よりもう少し小さくてもいい
100年以上前の明かりが、
昔、炭鉱の深くを照らしていたかすかな明かりが、
炭鉱夫の安全を守ってきた明かりが、今、現代の空間を照らしている
効率的ではないけど、こんなアナログな明かりがいい
マイナーズランプ
カンブリアンランタン
安全灯
ウルフ灯
デービーランプ
防爆ランプ
Oil Lamp の話3 別所ランプ
ストームランタン
嵐の中でも消えないランプらしい
ハリケーンタイプはあまり持ってないのだけど....
ちょっと紹介しよう
有名なのは、feuerhand -フュアーハンド
これこれ↓
ドイツ製
歴史も長く、時間をかけて育てたいタイプ
100年以上前から同じランプを作り続けているとか
ここが元祖なのか
もう一つ有名なのがDIETZ -デイツ
アメリカで創業したメーカー
今は中国製とのこと
こちらも歴史は長く生産量も多いメーカー
ハリケーンランプは、その歴史の長さからか、たくさんのコピーメーカーがあったらしい
米国、中国、東南アジア、日本
色々な国で作られていた
日本でも昔は何社かのメーカーがあり作られていた様だが今は唯1社のみが残っている
別所ランプ
WINGED WHEEL というランプ
大正時代から続く日本のランプメーカー
予約注文から出来上がりまで1年待ちとのこと
大人気
こちらの記事も注目 しゃかいか
WINGED WHEEL No.400
今は発売していない No.400
中くらいのサイズ
エンボスのマークがいい
このランプにはMADE IN JAPAN 刻印が無い
芯は角をカットして丸くすると炎の形が綺麗になる
丸い炎
あまり大きくしない
ホヤ -火屋のガラスは、昔むかしの少しムラのある作り
光に透かすと筋が出る
気泡の混入や歪みもあるが、これが良い風合い
少しだけ古いものをヤフオクで入手した
WINGED WHEELで予約したNo500が来るのはまだまだ先のことだろう
ここにも日本のハリケーンランプの歴史が
ハリケーンランプのタイプはすでにパテントが切れているのだろう
ずいぶん安価なランプが売っている
2千円しないCAPTAIN STAGのランプ
これ↓
あまりに安くて1台買ってみた
作りはお世辞にも良いとはいえないが、値段なり
このコストと別所ランプを同列には置けない
ランプは今や実用品ではなく所謂嗜好品
明るさだけ求めるならLEDの方が余程いい
CAPTAIN STAGは寝かしてあるけど、別所ランプは点けてしまう
CAPTAIN STAGも点灯せねば....
燃料はムラエのレインボーオイルがオススメ
普通は燃料コストを考えて灯油を焚くのだろう
灯油でも、良いランプは十分綺麗に燃焼するそうだ
ただ、匂いがね..
ススがね..
軟弱なのでレインボーオイル専門
防虫のレインボーオイルはハーブの香りがいい
ゆらゆら揺れる炎を眺めながら今日もゆったり過ごしたい
ストームランタン
別所ランプ
レインボーオイル
Old Lamp の話2 マイナーズランプ-E .THOMAS & WILLIAMS の古いやつ
マイナーズランプ -Miners Lamp
炭鉱夫、マイナーのランプ
古いランプを紹介しよう
E .THOMAS & WILLIAMS 社製マーナーズランプ
Aberdare
英国ウエールズ南部の町
鉄と石炭で栄えた町らしい
[caption id="attachment_276" align="alignnone" width="652"] 「Aberdare coal」でググるとこんな画像がヒットする ググってみよう[/caption]
1930年代のモノ
TOPはSteel製
フレームやボトムはBrass-真鍮製
Steelの部分は錆びているが、錆びでボロボロというよりは使い込まれた風合いがありツルツルしている
磨かれた鉄感がいい
Brass部分は経年のダメージがさらに良い風合いを出している
高さはフックを除いて約25cm
底面の円部分の直径は9cm弱
重さは約1.7kgもあってずっしり重い
重さは中型のパソコン位か、この安定感、安心感がいい
そして無骨
炭鉱夫の安全を守ってきたLampに相応しい無骨さ
ガラスのグローブはヒビが入っているが補修すればまだまだ使える
内部にはガーゼ-鉄の網がある
この網が炭鉱での安全を守ってきた
ガーゼは2重になっている
2重構造のマイナーズランプは多い
このモデルはチムニーの様な内部の網があり外側に大きな網がある
まだまだ網がしっかりしている
Type No9の記載があり、No9はこの様な構造なのだろう
マイナーズランプにはいくつかの系統があるらしく、
Davy
Marsaut
Mueseler
Clanny
Koehler
いろいろなワードがあるが、どれがなんなのか詳しくは解らないけど
今残っているものはMarsautタイプが多い気がする
1930年代といえば白熱球はもう存在し、電灯もずいぶん広まってきてただろう
この頃のマイナーズランプの役割は爆発性ガスの検知器だったはず
このランプはどれだけの炭鉱夫の危機を救ってきたのか?
そんなことを考えながら灯す微かな明かりがいい
ニクロム線か何かの着火装置がついていた様だけど、ない
今はライターで点ければいい
もう、炭鉱に持ち込んでガスの検知をする必要はないけど、食卓で、キャンプでこれからの100年でも何年でも活躍させたい
マイナーズランプ
カンブリアンランタン
安全灯
ウルフ灯
デービーランプ
防爆ランプ
Old Lamp の話 マイナーズランプ - カンブリアンランタン
マイナーズランプ (Miners Lamp)
炭鉱夫、マイナーのランプ
Colemanと比べてみた
昔々、英国の炭鉱で使われていた。
ウエールズ地方の呼び名にちなんで、カンブリアンランタンとも呼ばれている。
このランタンについて調べてみた。
17世紀のイギリス産業革命、蒸気機関などの燃料になる石炭の炭鉱が隆盛な頃...
炭鉱では可燃ガス等による爆発事故が問題となっていた。
1813年、 Dr. William Reid Clanny,が安全ランプを考案。
1815年、英国の科学者Sir Humphrey Davyが最初の安全ランプを作ったらしい。
デービーは、ナトリウムやカリウムなどの元素を発見したことで知られている。
同時期に何種類かのランプが発明され、実験を通して実用化されていった。
広く広めて炭鉱での爆発事故を多く防ぐために、ランプの特許は取得しなかったらしい。
その為、ランプはドイツやソ連、アメリカなどに広がっていって、日本にはドイツからランプが伝わったのか、ドイツのウルフ氏が考案した為ウルフ灯と呼ばれる。
炭鉱のマイナーズランプは、安全灯、セーフティーランプ、デービー灯、ウルフ灯とも呼ばれます。
マイナーズランプは、炭鉱で突然噴出する可燃性のガス(メタンガスなど)に引火して爆発が起きない様、炎の上部を金属のメッシュの筒(ガーゼ:gauze cylinders)で覆っている。
金属の網は熱を奪う為、外の可燃性ガスに引火しないのだそうだ。すごい発見。
ウルフ灯のガーゼ from USSR
また、ガスの発生により炎の大きさや色が変化し、ガスの発生を検知した。
マイナーズランプの晩年はこの検知器の役割が主だった。
1900年代には明かりとしては電球が実用になっているため、マイナーズランプの仄かな明かりでは足りなかったのだろう。
この仄かな、微かな明かりが、多くの炭鉱で働く人々の命を救い、また、地下深くで暗闇を照らしていたことを考えると非常に感慨深い。
ジブリ作品「天空の城ラピュタ」でパズーとシータが潜った炭鉱の地下では、全く明かりがなく、目をこらすと石の囁く声が聞こえる。
この様な暗黒の中でこのマイナーズランプが点いていたら、さぞかし明るいのかもしれない。
現在も新品で入手できるランプがあるらしい。
E.Thomas & Williams 社:
昔の安全灯の構造を踏襲している様です。
平芯でパラフィン系の燃料を使用するタイプなので燃料は灯油などですが、レインボーオイルがおすすめ。
これ
The Protector Lamp & Lighting Company :
GR6Sというタイプが英国のミュージアムで売っているみたい。
丸芯で航空燃料、白ガス、ラーターオイル等を燃料とするタイプ。
(写真なし、ググってね)
REPLICA MINERS LAMP LANTERN:
廉価版のマイナーズランプ。安全機構が無いため炭鉱では使えないそうです。(^^;)
それはそうかもしれないけど、炭鉱に行かない人はこちらでも十分。いい雰囲気がある。
素材はずっしりしたブラスなどで作られ、重厚感がある。
マイナーズランプの素材は様々だけど、Brassのみか、Steel & Brassが多い。
やはり、Brass、真鍮のギアはピカピカの新品よりも経年でくすんだ感じがいい。
もちろんピカピカのBrass を時間をかけて育てるのもいい。
次からは古いマイナーズランプを紹介していこうと思う。
マイナーズランプ
カンブリアンランタン
安全灯
ウルフ灯
デービーランプ
防爆ランプ